JAPAN ECO TRACKの旅 - 体験レポート
オホーツク海に臨む北の大地で雄大な自然を満喫
文/仲川希良 写真/逢坂 聡
取材日:2018年4月

DAY1 : チーズ作り見学&絶景の夕日に出会う
DAY2 : 能取岬までサイクリング!
DAY3 : ジェラート&ランチで大地の恵みをいただく


チーズ作り見学&絶景の夕日に出会う
北海道は何度か訪れているけれど、圧倒的な空の広さにいつだって驚いてしまう。あまり大きな起伏のないこの地形では、空は視界の果てで大地と溶け合い、そこに時折、雪を残した白い山がアクセントを添えている。
自転車で駆け抜けるその両側は、大半が農地のようだ。点々と建つカラフルなかまぼこ型の倉庫は農機具のためだろうか、おもちゃみたいでかわいらしい。
この厳しくも豊かな環境で、人々はどう生活を営んできたのか。道東エリアは人間の数より牛の数が多い、なんて聞いたことがある。
ひがしもこと乳酪館に行ってみた。
この辺りに開拓の人々がやってきたのは明治39年のこと。酪農業が発達していくなかで、需要を上回った牛乳の活用法として始まったのがチーズ作りで、厳しい気候風土はチーズの熟成にも向いているという。
この土地でのびのびと育った牛から採れるフレッシュな牛乳を、人の手でチーズに加工していくようすをガラス越しに見させてもらっていたら、すっかりお腹が空いてしまった。
売店でピザをオーダー。本格的なチーズの香りが口いっぱいに広がり、とてもおいしい。

メルヘンの丘ですてきな夕暮れ。
宿泊先の北天の丘あばしり湖鶴雅リゾートは、
オホーツク民族を思い起こさせる内装。


能取岬までサイクリング!
オホーツク海に面したこの地域は、流氷が接岸することでも知られている。残念ながらそれを見るには一足遅い時期だったので、代わりにオホーツク流氷館を訪れてみた。
バーチャル映像なのに、押し寄せてくる流氷の力強さに圧倒される。波に揺れ動くときの地鳴りのような音は、実際耳にしたら恐ろしささえ感じそうな気がする。
展示コーナーを見てみると、流氷は単に景観としてではなく、たくさんの恵みをこのオホーツク海にもたらしていることを知った。
植物プランクトンと、その光合成に必要な鉄分は、どちらも流氷に付着してこの海に運ばれてくる。流氷が融けるときにそれらが放出され、「生命大爆発」というほどの豊かな食物連鎖を引き起こすのだそうだ。
並べられた水槽のなかで漂うオホーツク海の人気者クリオネや、愛らしいナメダンゴたちもまた、流氷が育んでくれた生き物たちだ。

能取岬(のとろみさき)まで自転車を走らせ、真っ青なオホーツク海を見下ろす。
たった今、目の前に広がる海のなかでは、とてつもない命の力が渦巻いている……。


ジェラート&ランチで大地の恵みをいただく
世界一の認定を受けた、リスの森のジェラート、モンベルクラブ・メンバーズカードを見せると小清水産のじゃがいものフライをたっぷりおまけしてくれるレストランOLANGOにも立ち寄りたい。
すがの商店の生どら焼きや、道の駅「はなやか小清水」で手作りされる、じゃがいもスイートポテトなど、各地に点在する道の駅にももちろん、地元産の素材で生み出された名品が。
自転車をこいで雄大な土地を体感したあとに、その土地の豊かさを頬張って味わう幸せも待っている。



地元のおばちゃんにすすめられ、藻琴山(もことやま)中腹のハイランド小清水725へ。
屈斜路湖の絶景が広がっていた。
今回のアクティビティルートマップ / 訪れたお店・名所
Day1 / Day2 / Day3
ルートを参考にしながら、見たい景色や、行きたい名所・お店をピックアップして、自分だけのアクティビティトリップを!
Day1
①ひがしもこと乳酪館
ここでしか食べられない「チーズソフトクリーム」が人気! 各種チーズやピザも販売しています。
DATA
- 住所:大空町東藻琴409-1
- TEL:0152-66-3953
- サポート:駐車場/バイクラック/空気入れ/トイレ
③北天の丘あばしり湖鶴雅リゾート
北天を仰ぐ小高い丘の上、眼下には大地の連なりと網走湖を眺望できます 。
DATA
- 住所:網走市字呼人159
- TEL:0152-48-3211
- サポート:WiFi/日帰り入浴/宿泊
▼DAY1 参考ルート
Day2
①オホーツク流氷館
流氷の神秘とオホーツクの絶景を体感。お食事は併設のcafe&restaurant360で。
DATA
- 住所:網走市天都山244-3
- TEL:0152-43-5951
- サポート:バイクラック/空気入れ/トイレ/給水/フード/Wi-Fi
Day3
①リスの森
網走産の牛乳と北海道の旬のフレーバーを、本場イタリア仕込みの本格ジェラートでお楽しみください。2017年にイタリアで開催された国際大会で優勝した実績のあるジェラートです。
DATA
- 住所:網走市字呼人418
- TEL:0152-48-3053
- サポート:トイレ/フード
②レストラン OLANGO
お腹を満たしてくつろげる、気楽な洋食のお店です。
DATA
- 住所:斜里郡小清水町字小清水370番地
- TEL:0152-67-7789
- 特典:ソフトドリンク100円引き
- サポート:バイクラック/空気入れ/工具/トイレ/給水/フード
③ハイランド小清水725
阿寒摩周国立公園「藻琴山」の中腹、標高725mの高原展望台に建つレストハウスです。
DATA
- 住所:斜里郡小清水町字もこと山
- TEL:090-3119-6080
- 特典:コーヒー50円引き
- サポート:駐車場/バイクラック/空気入れ/工具/トイレ/給水/フード
鳥と旅するまち モンベルフレンドタウン 小清水町の魅力

小清水町は北海道の東北部、オホーツク海に面した農業を基幹産業とする町で、モンベルフレンドエリアにも登録されています。
北海道らしいスケールの大きな自然に恵まれ、ラムサール条約の登録湿地である濤沸湖(とうふつこ)は、道内最大級の渡り鳥の中継地。国内の約半数近い300種以上の野鳥を見ることができ、バードウォッチャー憧れの地となっています。
また、標高1000mの藻琴山は、屈斜路湖(くっしゃろこ)をはじめ阿寒や知床の大パノラマが見渡せる絶景ポイントとして人気を博しています。ほかにも町内には風光明媚な景観や自然が数多く残されています。
基幹産業である農業には人口約5000人のうち、5分の1以上が従事。官民一体となって持続可能な農業に取り組み、健康な土作りを核とした先進的な循環型農業を確立しています。
企業誘致にも積極的に取り組み、閉校した小学校に九州の総合食品メーカーの誘致に成功。新たな特産品「ほがじゃ」を開発し、全国の自治体から注目を集めています。

小清水ツーリストセンター/モンベル小清水店
2018年4月、道の駅「はなやか小清水」の隣に、小清水ツーリストセンターがオープン。小清水原生花園の入り口に位置し、オホーツクの野鳥観察に絶好のロケーションです。
この施設は、モンベルオホーツク小清水店を核とし、隣には小清水町観光協会がビジターセンターを併設。小清水町の観光とアウトドアに関する情報をまとめてご提供できる、情報拠点としての役割を担います。レンタサイクルもあり、ジャパンエコトラックの旅の拠点としても機能します。
モンベルオホーツク小清水店
・住所:斜里郡小清水町字浜小清水474番地7
・TEL: 0152-67-7062
ジャパンエコトラックエリア オホーツク(北海道)
雄大な風景といにしえの民族に思いをはせる旅
オホーツク海に面し、多くの野生動物が生息するこの地域では独自の漁撈採集文化が形成されました。
現在でも多くの遺跡が残り、その文化を育んだ雄大な自然を目にすることができます。
絨毯のように広がる畑を横目に一直線の道がつづく里ではまさに「北海道らしさ」を、山間部や海沿いでは北国の自然の力強さ、美しさを感じられるルートです。
オホーツク(北見・網走・大空・小清水)のアクセス情報
【飛行機】女満別空港まで
◎札幌(新千歳)から50分
◎名古屋(中部国際)から1時間50分
◎大阪(関西)から2時間30分
◎東京(羽田)から1時間50分

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