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JAPAN ECO TRACKの旅 - 体験レポート

歴史と自然あふれる三河の国へ


ジャパンエコトラックエリア東三河

文/仲川希良 写真/逢坂 聡

スケジュール

DAY1 : 山河の風情を感じ歴史に思いを馳せる

DAY2 : 伊良湖岬を目指して太平洋岸自転車道を進む

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day1
 

サイクリストに優しい町

 

東京から1時間半で到着したJR豊橋駅。構内にあった更衣室でサイクルウエアに着替える。他にも豊橋鉄道にはサイクルトレイン、駅前には自転車組み立てスペースまであるようだ。見知らぬ土地のサイクリングは楽しみな反面、緊張も多いけれど、こんなウェルカム体制だと嬉しくなってしまう。

 

飯田線に乗り換えて出発点の東栄駅に到着すると、木彫りのかわいらしい動物や小鬼たちが出迎えてくれた。東栄町は9割が森林で、チェンソーアートが盛んなんだそう。

この地域は奥三河とも呼ばれ、山からの栄養が川を通して東三河の平野部、そして三河湾へと運ばれていく。その流れを辿るように、まずは豊川水系のひとつである宇連川に沿って山間を走り抜ける。木立の間からときおり輝く水面。川を挟む山々の標高はあまり高くなく、コロンと三角に膨らんだ山頂に触れられそうな親しみやすさがある。木漏れ日を浴びながら緑に包まれた道を行くのは心地良い。

蔵王展望台

写真左:チェンソーアートがお出迎え
写真右:ジャパンエコトラックアプリ[活動開始]をタップ

 

最初の立ち寄り所は、奥三河蒸留所。スギやヒノキなど奥三河の山の木々からエッセンシャルオイルを抽出したり、地元産のハッカや、ユズを使ったアロマ商品を作っている。東三河の田畑で採れるシソや食用菊も素材として利用しているんだそう。精油の小瓶を開けた途端広がる香りの豊かさは、そのままこの土地の豊かさだ。併設のカフェで地元野菜のしみじみ美味しいカレーもいただいた。

 

再び川沿いに自転車を走らせる。小さな温泉街に差し掛かるところで、橋の上から宇連川の流れを楽しむ。板敷川の別名がある平らな川底とそこを滑る透明な水に心が落ち着く。

橋の下を覗くと、地元の子たちが川に足をつけて笑いながらおしゃべり。ピーヒョロヒョロという声に上を向くと、川を見下ろす山肌に影を落としながら、トビが悠々と風に遊んでいる。近くを走る飯田線に2両編成の電車が通り過ぎた。あまりののどかさに、時が止まったような感覚になる。

蔵王展望台

写真左:平らな川底が板を敷いたみたいな板敷川
写真右:湯谷温泉の温泉スタンド。汲みに来た人に分けてもらい手がスベスベに

 

さて三河というと徳川家康ゆかりの地。そして家康に忠義を尽くした三河武士を思い出す、という戦国時代好きの方もいるだろう。戦国の世の流れを大きく変えた長篠・設楽原の戦いについて知ることができる、長篠城址史跡保存館に立ち寄ってみた。

看板にも描かれている磔にされた半裸姿の武士は、この土地の英雄、足軽の鳥居強右衛門だ。仲間を助けるために自分の命を犠牲にした武士道そのもののエピソードは、勇敢でありながら悲しい。武田の騎馬隊の音、織田徳川連合軍の火縄銃の音……、今は草に覆われた城址を前に、この場所で凄惨な戦いが繰り広げられた時代に思いを馳せる。

 

▼DAY1 参考ルート

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day2


渥美半島の恵みを味わう

一夜明け、海に向かって再出発。今日のルートは太平洋岸自転車道(千葉県銚子市と和歌山県和歌山市の太平洋岸を繋ぐ、延長1400kmの自転車道)を含む、渥美半島の周回ルートだ。畑とビニールハウスが続く景色のなか、広がる青空の下で自転車を走らせるというシンプルな幸せ。空が開けるとそれだけで心も開けてくる気がする。

漕ぎながら周囲に目をこらすと、畑にはキャベツ。ハウスの中にはトマトらしき色。そういえば普段近所のスーパーで目にするトマトも愛知産が多い。続いて見えたのはメロン。大事に陳列された姿しか知らない私は、はためく「メロン狩り」の幟に驚く。

立ち並ぶヤシの木に誘われるように、海に向けて坂を駆け下りると、下るにつれて視界を染めていく青のグラデーショ ン。砕ける白い波間に大勢のサーファーが浮かんでいる。遮るもののない伸びやかな風を浴びながら、ふと笑顔になる。

太平洋岸自転車道

太平洋岸自転車道
千葉県銚子市から和歌山市まで各県の太平洋岸を走る約1400kmの自転車ルート。愛知県内では、前半は畑やビニールハウスの間を抜ける国道42号線を走ります。太平洋ロングビーチで海岸に出会うと、以降、伊良湖岬までの間、海沿いの自転車道を陽の光きらめく波間、どこまでも続く海岸線、青い空と水平線を楽しみながら走ることができます。

 

道の駅あかばねロコステーションに立ち寄って、採れたてのメロンをいただくことにした。大胆に四つ切りにしたマスクメロンに豪快にスプーンを差し入れ、柔らかい果肉を口いっぱいに頬張る。したたる果汁とともにあっという間に喉の奥へ滑り落ち、香りが広がる。日差しの下で体を動かしたあとにはたまらない。

売り場の女性は嬉しそうに「渥美半島は温暖だからね。良いものがたくさんできるのよ」と笑う。黒潮の影響で「常春」とも言われ、日照時間・快晴日数はトップクラス。日本有数の花と野菜の産地だそうだ。この道の駅には新鮮な魚介類も並ぶ。奥三河で目にした山々からの水が育んだ、大地と海の恵みが溢れている。

 
 

蔵王山展望台へのヒルクライムで最後の一踏ん張り。私の他にも幾人かのサイクリストが、グッと脚に力を込めて登っていく。2 日で辿った道を見渡せる360度の大パノラマは、旅を締めくくるご褒美だ。

蔵王展望台

走ってきたルートを一望できる大パノラマ

 
 

▼DAY2 参考ルート

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今回のアクティビティルートマップ / お店・名所 Pick UP

Day1 / Day2

ルートを参考にしながら、見たい景色や、行きたい名所・お店をピックアップして、自分だけのアクティビティトリップを!

Day1

奥三河蒸留所

 

奥三河蒸留所

地元の檜や杉から抽出されたエッセンシャルオイルを使ったアロマ商品や蒸留体験、奥三河の食材を使ったカフェメニューなど楽しさいっぱいの施設です。

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鳳来峡

鳳来峡

豊川の支流、宇連川の景勝地。凝灰角礫岩、流紋岩からなり、川底が板を敷いたように見えるため、板敷川とも呼ばれます。

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馬背岩

 

馬背岩

豊川の支流、宇連川にある幅5m、長さ122mにわたる安山岩の岩脈。河床を作っている凝灰角礫岩より緻密で硬いため、川の中央部に馬の背状に盛り上がって残りました。全貌を湯谷温泉の吊り橋から見ることができます。

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大野宿

 

大野宿

登録有形文化財である旧大野銀行で営むカフェ鳳来館や酒まんじゅう店など古い建物が今も残るノスタルジックな街なみを楽しむことができます。

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新城市長篠城址史跡保存館

 

新城市長篠城址史跡保存館

歴史の大きな転換となった長篠・設楽原の戦いに関する資料を保存・展示し、この地の歴史を伝えています。

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▼DAY1 参考ルート

Day2

道の駅 とよはし

道の駅 とよはし

さまざまなグルメが楽しめる人気の道の駅です。広大な駐車場、更衣スペース、ロッカー、組立スペースがあり、渥美半島のサイクリングの拠点となっています。Eバイクのレンタルも可能です。

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太平洋ロングビーチ

太平洋ロングビーチ

道路沿いにはのっぽな椰子の木が並び、日本にいながらちょっとしたウェストコーストの雰囲気。週末には県外から多くのサーファーが訪れます。

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道の駅 あかばねロコステーション

道の駅 あかばねロコステーション

見晴らし抜群の展望デッキからは、雄大な太平洋を一望できます。しらす、大あさりなどの地元特産品がたくさん揃っているお土産コーナーも要チェック。

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恋路ヶ浜

恋路ヶ浜

プロポーズにふさわしい場所として伊良湖岬灯台とともに「恋人の聖地」に指定されています。島崎藤村の「椰子の実」の舞台としても有名です。

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伊良湖岬

伊良湖岬

渥美半島の先端の伊良湖岬からは、太平洋から伊勢湾・三河湾までを一望でき、三島由紀夫作「潮騒」の舞台になった神島も望めます。昭和4年に建造されてからこの海を守る伊良湖岬灯台は、海と空の青を背景に白亜が映える秀麗な積台で、日本の灯台50選に選ばれていています。遊歩道を自転車を押して、恋路ヶ浜から伊良湖港まで歩くことができます。

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蔵王山展望台

蔵王山展望台

山頂からは渥美半島を360度見渡すことができ、雄大な自然の大パノラマを満喫できます。夜には「夜景100選」に選ばれた幻想的な夜景を楽しむこともできます。

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三河田原駅

三河田原駅

サイクルトレインである豊橋鉄道渥美線の終着駅。建築家安藤忠雄氏が設計した駅舎は、田原市の交通結節点であり観光情報の発信地でもあります。駅向かいのララグランにレンタル自転車があります。

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▼DAY2 参考ルート

ジャパンエコトラックアプリ完走バッジ

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今回紹介したルートを走破すると「東三河サイクリングルート」「渥美半島ルート」の2つのルートの完走バッジを獲得することができます。
※2ルートの重複区間は、立ち寄りスポットで、アプリの活動中ルートを切り替えてそれぞれのスタンプを貯める必要があります。
※活動記録(ルート軌跡等)はルートを切り替える度に途切れますが、立ち寄り箇所でのデジタルスタンプは貯まり、すべてのスタンプが集まるとデジタルバッジは獲得できます。

  • ジャパンエコトラック公式アプリapple
  • ジャパンエコトラック公式アプリgoogle

輪行を活用したプランニング

JR豊橋駅&豊橋鉄道新豊橋駅前自転車組立(輪行解除)スペースJR豊橋駅&豊橋鉄道新豊橋駅前自転車組立(輪行解除)スペース

豊橋駅からルートの起点、JR飯田線・東栄駅まで輪行するとプランニングの幅が広がります。東三河ルート終点の伊良湖岬からは、輪行袋での乗車が可能な豊鉄バスで豊橋駅まで移動が可能です。また、豊橋鉄道渥美線(三河田原駅~新豊橋駅)は、サイクルトレインです。

豊鉄バス

  • 伊良湖岬~豊橋駅:約2時間20分
    (直通ではなく、豊鉄バス渥美営業所〈田原市保美〉もしくは豊橋鉄道渥美線・三河田原駅で乗換)
  • 伊良湖岬~三河田原駅:約55分

豊橋鉄道渥美線

  • サイクルトレインなので、輪行袋に入れず、そのまま自転車を乗せることができ、終点の新豊橋駅前には、輪行収納作業スペースがあります。
  • 三河田原駅~新豊橋駅:約35分
  • 土休日:始発~終電の全列車
  • 平日:各駅10:00発~14:59発までの全列車
 

エリア紹介:東三河(愛知県)

東三河

奥三河の山々の恵みが、豊川によって、その流域や豊橋平野、三河湾を潤してきた愛知県東部の東三河地域は、かつて「穂国(ほの国)」と呼ばれた森川里海が繋がったエリアです。その繋がりを体感する東三河ルートを軸に、涼やかな高原や渓谷美、受け継いできた歴史、山岳信仰の情調、山と海の恵み、豊橋平野や遠州灘の眺望などを登山、サイクルリング、パドルスポーツで楽しむことができます。

●東三河地域:豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村の8つの市町村からなる広域観光エリアです。

 
 
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